- 作者: 長嶺超輝
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/03
- メディア: 新書
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裁判官は私情を排除し「法の声のみを語る」とされているんですが、
裁判官と言えども一人の人間です。
時に法を超えたところで個人的な私情を語ることがあるようです。
爆笑と言うよりも感涙ものが多かったですね。
育ち盛りの二人の子供を持つ母親。
パートで働いていたものの数年前に家出した夫の借金を抱え込み、
万引きを繰り返して窃盗の罪に問われた。
裁判官は執行猶予付きの有罪判決を言い渡して閉廷したあと、
被告人が退廷するときに、一段高い裁判官席から身を乗り出し、
被告人の手を握りながら、
もうやったらあかんで。
がんばりや。
被告人(母親)はその場で泣き崩れたそうです。
なんか、火曜サスペンス劇場のワンシーンのようですね。
「野球も人なり」という先人の言葉がある。
この言葉は、選手としてのプレーはもとより、
人間としての有り様を意味している。
これがなければ、
本当の意味でのフェアプレー、スポーツマンシップとは言えない。
1997年秋のプロ野球選手脱税事件の裁判での言葉もありました。
(ちなみに「野球も人なり」は、学生野球の父、飛田穂洲の言葉だそうです。)
人が人を裁く・・・
法だけでは語れないところに裁判官の私情が出るんでしょうか。
そう考えると「裁判官」。すごい職業です。