［岡田斗司夫］ いつまでもデブと思うなよ

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

一年間で五〇キロの減量に成功した著者が到達した結論。それは、ダイエットは楽しく知的な行為であり、ロー・リスク、ハイ・リターンの最高の投資であるということだった。必要なのはメモ一冊。それだけで運動不要、持続可能なダイエットは始められる。そして重力から開放された後は経済的、社会的成功が待っているのだ。過去のすべてのダイエット本を無力化する、究極の技術と思想が詰まった驚異の一冊!

健康診断では「やや肥満」程度の自分なんで、ダイエットの実用書としてではなくタイトルからして挑発的でなんとなく面白そうなので読んでみた。

家柄主義社会、学歴主義社会、ブランド主義社会のあとの「見た目主義社会」の現代において、デブがいかに損しているか、周囲からの評価を上げる努力のなかでダイエットがいかに費用対効果が高いのか、氾濫するダイエット方法の中で著者が薦める「レコーディング・ダイエット」の素晴らしさ、それを実践して1年間で50キロ痩せた本人の体験談、レコーディング（メモすること）はお金や仕事や人間関係など「自分コントロール」へ応用可能な付加価値まで･･･

ビジネスシーンでは企画書作成の参考にもなると思う。この本の章立てのように、ある企画に対して、時代背景、（デブなことによる）現状分析、競合商品（ダイエット方法）との優位性、実証実験効果、最後に（痩せることによる）付加価値を説明して、どうこの提案！？　と締めくくれば、もうそれは拍手喝采。理詰めだけの企画書に感動はないが、そこにストーリーがあれば感動が加わると思った。

なるほど売れている理由が分かるな。