［横山秀夫］ 臨場

臨場 (光文社文庫)

‘終身検視官’、死者の人生を救えるか--。辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。その死体に食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、彼には‘終身検視官’なる異名が与えられていた。誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、倉石の異質な「眼」が見抜くものとは……。組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界！

昔「半落ち」でこの著者を知りましたが、この本も様々な人間ドラマが短編7作に散りばめられて人気なのが分かります。推理物としてもひとつ一つ中身が深いし、主人公の組織に媚びない孤高の人物像の描写もいいし、それゆえ上の物には好かれないけど下からはその絶対的な仕事ぶりから信者も多い。口は悪いがその短い言葉の片隅に優しさの眼差しを感じさせる世界観、秀逸です。

あと下の2冊は週末会議で大阪支店に出張してきたＹっしーが貸してくれた本、最近マンガはあまり読まないけど面白かったです。かわぐちかいじといえば「沈黙の艦隊」、何年も前、家の近くのラーメン屋に全巻置いてあったので1巻から読んでいたらハマってしまってこの本目当てにそのラーメン屋に通ったこともありました。

生存 LifE (講談社漫画文庫 か 3-26)

告白 コンフェッション (講談社漫画文庫 か 3-27)