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本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[ラサール石井] 笑いの現場


笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書)

笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書)

ラサール石井が「コント赤信号」として歩んだ時代―それは現在のお笑い界の第一線にいる芸人たちとの競演の時代でもあった。修業時代に新宿ゴールデン街で飲み仲間だったとんねるずや、「オレたちひょうきん族」の楽屋で談議したビートたけし明石家さんま島田紳助ら。そこで熱く語られたのは、芸人として極めんとするそれぞれの笑いのスタイルについてだった。コント赤信号で歩いた時代を描く「ノンフィクション編」と、芸人それぞれの笑いを解説する「評論編」の2部構成で、お笑いの真髄を描く。

寄席ブームや漫才ブームを時代背景や時系列で解説してあり興味深いです。昔は劇場にいかないと寄席や漫才が見れなかったけどテレビ時代になって「お笑い」がお茶の間を席巻したと同時に「お笑い芸人」が誕生し、いつしか売れる・売れないの差はネタ勝負ではなく時代の空気をどう読んでどう発信するかの差となって表れだしました。もともと飽きっぽい世代相手だと、自力がない芸人も「あっという間」に売れるし、消えるときも「あっという間」です。こんな時代にM-1グランプリができて漫才の格闘技ばりに当日のネタの面白さだけで勝負する番組は気持ちがいいです。ブサイクでもチャンピオンになれるし、サンドウィッチマンのように9年間鳴かず飛ばずがM-1前、M-1後で人生が一変することにもなります。
最後の章でビートたけし明石家さんま志村けん、とんねるず、ダウンタウンの芸を分析しているんですが、著者自ら芸人であり舞台作家でもある複眼からの見方は非常に面白いです。