Yasublog

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空飛ぶ鋼床版桁


取引先で2,000t超の鋼床版の浜出し作業(工場ヤードから台船に積み込む作業のこと)を見学してきました。
この作業の“主役”「海翔」は4,100tの吊り上げ能力を有する日本最大の起重機船です。最寄の駅から数キロ先の岸壁に待機している海翔は電車の中からもその姿が確認できるほど大きいです。海面からアームの頂まで120m近くあります。

事前に調べてみたのですが、日本国内で吊り上げ能力が3,000tを超える超大型起重機船は6隻あります。このうち4隻は羽田空港拡張工事で現在出動しています。

会社名 船名 最大吊り上げ能力
(株)吉田組  第50吉田号  3,700t
(株)吉田組  第28吉田号  3,000t
深田サルベージ建設(株)  武蔵  3,700t
深田サルベージ建設(株)  富士  3,000t
寄神建設(株)  海翔  4,100t
寄神建設(株)  新寄隆  3,000t


早朝から作業準備にかかり玉掛け作業のあと、徐々にワーヤーケーブルにテンションを掛けていきます。バランスを確認しながら慎重に作業が進められ荷重負荷開始から約1時間で空中に浮きました。緊張の瞬間ですが大成功です。







もちろん吊り上げて終わりでなく、近くに停泊しているデッキバージ(満載25,000t台船)に乗せて固定します。その後、その台船を瀬戸内〜紀伊水道〜太平洋の経路で東京湾まで曳航します。占めて365mileの長旅です。