Yasublog

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凍結防止剤


冬の雪道に塩をまくってご存知ですか?塩が雪を溶かしてしまうんですね。不思議です。雪道を運転するドライバーにはありがたい塩なんですが、塩をまくことによる害もあるんですね。
よく言われているのが、橋の床版(鉄筋コンクリート)の劣化、植物への影響もあるそうです。いわゆる塩害です。
海辺に近い橋などは塩分を含んだ海風を受けることによって長い時間をかけて鉄筋コンクリート床版を傷めていきます。近年は凍結防止剤としてまく塩が塩害を引き起こしている事例も報告されています。

この塩害を起こさない凍結防止剤が最近注目されているのです。それは「お酢」です。まさか塩のライバルが酢だったとは面白いですね。焼き魚を塩で頂くか、ポン酢で頂くかの違いに似ているかも知れません、いや似ていませんね(汗)。
この環境配慮形の酢酸系凍結防止剤は、橋も植物も傷めません。ネックはイニシャルコストがが高いこと。単価も塩よりもだいぶ高いのですが、使用量が少なくて済むために5年単位で考えると費用対効果も塩より良いみたいです。

先日、仕事関係の技術講習会でこの酢酸系凍結防止剤のお話を聞くことができました。北海道日油(株)さんのカマグという製品です。


北海道日油(株)さんのホームページ → http://www.hnof.co.jp/index.shtml


この会社の営業マンさんによると、意外にも本州に比べて北海道での導入事例が少ないんですね。素人的には一番使われてそうな地域なんですが。実は北海道ほど豪雪地帯になると除雪や圧雪によって滑り止めをはいた車を走らせるので、凍結防止剤はあまり必要ないんだそうです。除雪車など雪に対する設備や予算もしっかりあるのでしょうね。
北陸から東北にかけて、北海道ほど雪は降らずにそこそこ降る地域は、予算も最低限しか取れないので凍結防止剤が重宝されるのです。また粒子状の塩は人がまく必要がありますが、酢酸系は水溶液なので自動でまくことができる装置付きがあるそうです。人件費も節約できます。

ちょっと個人的に聞きたいことがあったので営業マンさんに質問してみました。
「酢酸をまいた道路近くの畑ではキュウリが収穫前に酢の物になってしまうという報告はないのですか?」
いまのところないとのことです。(笑い話ですので・・・)


この環境配慮形、キーワードですね。