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[江上剛] 失格社員


失格社員 (新潮文庫)

失格社員 (新潮文庫)

嘘つき社員に傲慢部長、モーレツ執行役員にゴマスリ常務―不祥事の元凶がオフィスにはあふれている!サラリーマンが守るべき掟を「モーゼの十戒」に擬えて、コミカルにシニカルに描く。秘かに転職を目論む銀行員の心の内は…「二神に仕えるなかれ」、セクハラ対策を担当していながら、生保の中堅幹部はなぜセクハラに陥ったのか…「汝、姦淫するなかれ」など、傑作十篇収録。


めざましTV土曜日に出ていた(今は?)江上剛氏、元銀行員の著者ですのでやっぱり銀行を舞台にした話が多かったです。帯に「ユーモア会社小説」とあるのですが、それなりに面白かったです。。それなりってw

どんな会社にもヘンな上司はいてると思います。ヘンな下っ端も当然いるでしょうけど、上司はその人の言動が大勢の部下に見られているから影響力は全然違ってきます。この本にも相当ヘンな上司がたくさん登場しますが、銀行というちょっと特殊な会社には魑魅魍魎な人がたくさんいるのかも知れません。

企業の営業拠点責任者は、性格の違う人物が交互に務めることが一般的だ。特に銀行ではその傾向が強い。攻めに強い人の後には、守りの強い人。また、その逆。管理に厳しい人の後には緩やかな人、またその逆といった具合だ。なぜそのような人事をするのだろうか。それは単純な営業活動に緊張と弛緩をもたらすためだ。・・・


あとがき「十一番目の規律」のラスト1行。著者自身の経験からくる真実味のあるいい言葉です。(笑)

「お客のために、家族のために、そして自分のために働け。決して会社のために働くな」