- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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都内の住宅地で人質篭城事件が発生した。所轄署や機動隊とともに警視庁捜査一課特殊犯捜査係が出動し、門倉美咲巡査は差し入れ役として犯人のもとへ向かうが―!?篭城事件と未解決の児童誘拐事件を結ぶ少年、その背後で蠢動する巨大な事件とは?ハイスピード、未會有のスケールで描く新・警察小説。
男以上に男前な伊崎基子巡査25歳に、ドジでちとトロイ感じの門倉美咲巡査27歳。好対照なキャラの二人が主人公。立て篭もり事件の犯人と未解決の児童誘拐事件が結びついて展開していく。帯の「未會有のスケール」は大袈裟と思うな。この「ジウ1」では主犯格はまだ捕まっていない。続きがあるみたいなので期待しよう。
伊崎「・・・警察はね、負けちゃ駄目なんだよ。世間にも、犯罪者にも負けちゃ駄目なんだよ。あんたさ、そういう意識がちょっと薄すぎるんじゃないの?負け犬根性っつうかさ、なんかそういうのが板についちゃってんじゃないのかな。・・・あんたよく泣くね。あれ、どういうつもりなの?人前で泣いて見せるってさ、あたしなんかには信じられない恥ずべき行為なんだけど」
門倉「でもね伊崎さん。私ね、警察が勝つとか負けるとか、そういうふうにはあまり考えたことがないの。ホシはホシなりに苦しんで、罪を告白し、認めるわけでしょう。それってさ、ひとつの困難を乗り越える作業じゃないかって、私は思うんだよね。だから、その手助けができたら、いいと思う。そこに勝者も敗者もないと、私は思うの」