Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[岡田武史、古田敦也、平尾誠二] 勝利のチームメイク


共に日本代表監督経験を持つJリーグ現役監督と、ラグビー界の知性。そして球界随一の頭脳派捕手が「勝てるチームの条件」を巡って持論を闘わせるリレー対談。勝ち慣れた者だけが持つ「ここ一番」の強さの秘密が浮かび上がる。


サッカー日本代表監督、岡田武史。前ヤクルトスワローズ監督、古田敦也。神戸製鋼ラグビー部総監督、平尾誠二。3人がそれぞれリレー対談する企画。対談自体は2003年なので肩書きは現在と違うけれど、サッカー、野球、ラグビー界を代表する人どうしの話なので非常にレベルに高い内容で興味深かった。古田があるTVで「我々は失敗経験を忘れて切り替えるのは当然だけど、同じように成功体験も忘れないといけない。成功体験を引きずって同じ攻め方では、次はやられるかも知れないから」と言っていたのには、なるほどと思った。成功体験は人を成長させるが、引きずっていてはダメってこと。

(平尾)ラグビーなんて、ただでさえ球を後ろに放るスポーツじゃない?もともと点が取れないようにルールができているわけ。そんな中で知恵を絞って、少しでも「点を取れるように」と考えていくことが、スポーツ=ゲームの面白さだよね。

(平尾)成功したことのない人間の失敗経験というのは「負け犬根性」につながる危険性があるけど、成功体験を経た人間ほど、失敗をさらなる成功への糧としてポジティブに捉えられる傾向にある。

(平尾)例えば「常勝チーム」と、「いいところまでいくけどいつも負けてしまうチーム」の差というのは、単なる戦力の違いだけでなく、「自信」があるかないかの差でもあるという結論になったんですよ。

野球の監督=映画監督、ゴール型スポーツの監督=芝居の演出家。なるほど。

試合を観ていて「これ、めちゃくちゃ不安定やな」とか、「今日はめちゃくちゃ安定してるで」とか。試合のインプレッション(印象)っていうんですか。こういうフィーリングというのは「戦術」とかで単純化して語れるものじゃないんですよね。ただ「なんか不安定だ」という感じ。そういうときに、たった一人の選手を投入したことが、何というか、池の中に石ころを落としたみたいに、さざ波が広がっていくようにチームに影響を与えて、急に流れが変わってしまうことってありますよね。