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[伊坂幸太郎] 魔王


魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。


伊坂幸太郎作品は家族愛や兄弟愛を書いたものが結構多い。この作品もそうだ。不思議な力を持った兄と弟を思う気持ちや、政治の危うさをなどが絡んで展開していく。これまで読んだ作品よりちょっと劣ったけれど続編の『モダンタイムス』に期待したい。

「兄貴、俺さ、『今まで議論で負けたことがない』とか、『どんな相手でも論破できる』とか自慢げに話している奴を見ると、バカじゃないかって思うんだよね」