Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

恕(じょ)


カンブリア宮殿で2週に渡って放送されていた、広島にある株式会社21(ツーワン)。この会社が面白いのだ。
人事破壊を実践した21世紀の会社(株)21 メガネ21

2009年6月22日・6月29日放送
第一回 管理職はもう要らない!?
第二回 日本一“社員想い”の会社が明かす、“管理職”はいらない!
ゲスト:メガネ21専務 平本清(ひらもと・きよし)氏
バックナンバー | カンブリア宮殿:テレビ東京


番組の内容をざっくり書いてみると・・・

管理職なし、販売ノルマなし、30代でボーナス400万円。内部留保ゼロ。資金調達は社員から「社員出資制度」。実際社員の7割が出資していて、その合計金額がナント10億円あまり。何かあったときに一番損をする人が責任者になるべき。内部留保がないのではない。会社にしていないだけ、社員にしている。経営者と労働者はチームメイトである。社長は交代性、あくまでお飾り。各支店の営業成績から新製品の開発情報、全社員の給料まで社内HPで公開している。悩み事や相談はHPに書き込むと誰かから返事がある。稟議はHPにアップし3日間異論がなければ承認。すべての情報をオープンにすれば管理職はいらない。管理職なしなら人事評価は誰がするの?評価基準は勤続年数、出資額、店舗への貢献度の3つ。貢献度は社長が全員を評価してHPに公開。異論があれば書き込む。不満を解決するよう提案するのが経営者の仕事だそうだ。プライバシーの侵害と言ってくる学歴の高い人に社長はこう言い返す。「評価をわずかな経営陣で決めておいて理由をオープンにしないほうがプラーバシー、人格の侵害ではないのか?」。人事や評価を大枚はたいてアウトソースして評価20点でボーナス80万と評価50点の30万とどっちがいいの?と。上司と馬が合わないときはギブアップ宣言として異動を申し出れる。これもネット上に公開されるらしい。この場合は気持ちよく外す。役職?価値がないものをあたかも価値があるように見せかけて、それをエサにして食べさせているだけ。


この平本さんの経営哲学は「論語」にある。

論語―中国古典百言百話 (7) (PHP文庫)

論語―中国古典百言百話 (7) (PHP文庫)


一番大事にしているのは「(じょ)」。恕とは人からされたくない事は自分も人にしない事。つまり他人を思いやる心だ。かつて勤めていた会社をリストラされた経験のある平本氏が拠り所にしている言葉だ。職場が無くなるのは生活が崩壊することになる。経営者に求めるだけでなく社員も経営者・出資者の苦労を知らないといけない。出資者のエゴばかりでは社員は離れ生産性も悪くなる。社員は出来るだけサボろうとする。労働者と出資者、両者が喜ぶ提案をするのが経営者である、と。

じょ【恕】 他人の立場や心情を察すること。また、その気持ち。思いやり。(Yahho!辞書より)