なぜ阪神は勝てないのか? ――タイガース再建への提言 (角川oneテーマ21 A 106)
- 作者: 岡田彰布,江夏豊
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/09/10
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
阪神タイガースOBの重鎮2人が、不甲斐ない試合を続ける真弓阪神に送る“愛のムチ”。なぜ関西の雄を脱して、真の日本一になれないのか? 次々飛び出す衝撃の真実。球団の暗部にまで迫る問題作!
あまり期待せずに買ってみたが、予想以上に面白かった。ホンネというかそこまで書いていいの?とちょっと引くような内容もあって。江夏氏、岡田氏の両者ともどちらかというと歯に衣着せぬ硬派なタイプなので、試合中に解説者を泣かせるような返しもあったりする。江夏氏は球場で相手投手が交代したとき阪神ファンが歌う「蛍の光」を侮辱行為だとして批判している。耳に聞こえのいいことを言う人が多いなか貴重な存在だと思う。
ストッパーは神経細やかでないとできないと思うんです。ストッパーが大胆に行かれたら、ベンチにいる人間は目もあてられんものです。(岡田)
そうなんです。そらもう絶対4位ですよ。チームを変えられるのは。(岡田)
昭和48年、残り2試合で1勝すれば優勝という時の話よ。電鉄本社で球団社長が「勝ってくれるな」と言うのよ。「これは金田監督も了解しているから」と言うのよ。カーッとしてな、テーブルをダンッとひっくり返して帰ってきた。
次の中日戦で先発。でも「早く勝ちたい」という気持ちがあってカッカしてるから、結局5回で3点取られた。相手の投手は星野仙一。緩い球や。キャッチャーは木俣達彦さんで打席で「次の球はなんや」と全部教えてくれる。みんなど真ん中や。それが打てんかった。力んでしまってな(笑)。(江夏)
日本のプロ野球でファーストへの牽制球で変化球を投げたのは私くらいだろう。(江夏)
アウトロー革命。「針に糸を通す時には近くで通すのと、遠くに離して通すのとどちらが難しいかな?」「そりゃあ、遠くのほうが難しいです」「そうだよね。人間は近くにあるモノのほうが焦点を合わせやすいよね。遠くには盲点がある。インコースよりアウトコースのほうが打者からすればボールが遠くになるよね。ならば外で勝負してみればどうかな」(江夏)
私は、じっくりと配球を読んで打つタイプだった。基本的には、真っ直ぐ狙いで、変化球に対応するというスタイル。「速いか」「遅いか」で配球を読んだ。200本以上ホームランを打った打者で、2ストライク後のホームランは、私が一番多いそうだ。初球を振らずに相手のボールを絞っていく配球の読み方だから、当然の結果だった。(岡田)