Yasublog

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医師が競うのは手術の速さではなく、患者の回復の早さだ


NHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」は好きな番組でよく見ます(ほとんどが録画ですが・・・)。
いろいろな職種があるなかで「医療に携わる」の人が取り上げられることが結構多いと思います。世の中に数多ある職業の中でもプロフェッショナルを要求される仕事のひとつでしょうし。

先日は移植手術の名医加藤氏が紹介されていましたが、30時間にもおよぶ大手術をひとりで行うのですね。20分の食事休憩を2回とるだけ。助手の人は次々に交代していくのですが執刀医は代わりがいないのです。手術室は患者の絶望を希望に変える場所であり、瞬間であり、みな闘っているのですね。

加藤氏が若い頃に留学先で先輩医師に言われた言葉がタイトルなのですが、駆け出しのころは如何に綺麗に早く手術を行うかしか見えていなかったそうです。ことの本質は患者さんが回復することであり、手術はその一手段でしかないのです。また術後の患者さんの人生も背負ってると考えてあえて困難な手術方法を選択したりするそうです。

若いときは、まず自分のレベルを上げる、技術を上げる、実力をつけること。そこ1本に邁進すればいいと思います。ただ、あるタイミングでその技術の使い方、役割の果たし方を考えることが必要なんだと思います。考え方のシフトチェンジできるかできないか。華麗な執刀技術と患者さんの幸せは必ずしもリンクするとは限らない。こう考えることができるか、できないか。技術=ハード、考え方=ソフトとしたときに、ハードとソフトのバランスをいかにとるか。
プロである以上、技術レベルが高いのは当然として、“物事の本質を考え見抜き、自分の役割を最大限に果たす”。これが本物のプロだと思いました。