- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/02/23
- メディア: 文庫
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前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。
松本清張の作品は初めて。「時代に翻弄された女性たち」、サブタイトルをつけるならこんな感じ。代表作と言われるだけあって面白かった。ザ推理小説といえる。やはりサスペンスは雪国と列車と断崖絶壁の崖がよく似合う。西村京太郎もそうだが夜行列車と時刻表は必ず出てくる印象があるし謎解きのポイントになることも多い。今の時代では携帯電話で簡単に乗換案内を調べることができるから、あまりピンとこないけれど。
- 新潮文庫版のカバー裏表紙に記載されたあらすじに、物語の過半にいたって明かされる事実が書き込まれている。
- 2時間ドラマなどで定番となっている「ラストで崖の上に関係者が集合して真相が語られる」というパターンは、この作品がオリジナルである。
裏表紙見たら、!!確かにあった。その名前だしたらいかんでしょ(笑)。
水戸黄門の印籠、ボケとツッコミ、飲んだあとのラーメン。世の中にお約束という流れはたくさんあるが、その代表格とも言える2時間ドラマのラストシーン。この小説がきっかけとは知らなんだ。豆知識だ。