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耐震改修工事

夏休みを前に小中学校の耐震改修工事が各地で行われています。全国平均で耐震補強が必要な校舎の約70%が工事を終えていますが、地方によってはまだ50%程度の自治体もあります。災害時に住民の避難場所にもなる学校の校舎の耐震化は緊急性が高いのです。公立学校施設の耐震化の推進:文部科学省


26日午後、仕事の関係で和歌山のとある中学校の耐震補強工事を見学させていただきました。大雨にも関わらず大勢の職人の方が作業に汗を流していました。iPadの発売などで賑わう華やかなIT業界とは真反対の地味な世界がここにあるんですよ。
公共工事の大幅な削減により地方の建設会社は瀬戸際に立たされています。鋼橋はピークの半分以下の発注量になっているけど、地場の雇用を支えている建設業ですから簡単に廃業もできません。社長さんの苦悩が慮られます。そんな地場の小さな鉄工会社も最近こういった学校の耐震補強工事に参入してがんばっているのです。
橋梁も建築物も新設工事は事務所で大方設計図面をひけますが、既存建物の改修工事だとなかなかそうは行きません。スキャナー(非破壊検査機)を使って鉄筋などの位置を計測しながら穴明け作業を行うのです。現場ならではの知恵などがあって説明を聞きながらうんうんと唸るばかりです。現場の知恵とITを融合させて、地域の安心・安全に貢献できるといいなと思いました。