20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
- 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: ハードカバー
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いくつになっても人生は変えられる!「決まりきった次のステップ」とは違う一歩を踏み出したとき、すばらしいことは起きる。起業家精神とイノベーションの超エキスパートがまとめた「この世界に自分の居場所をつくるために必要なこと」。
『20歳のときに知っておきたかったこと - 川崎裕一 yukawasa.comはてな分室』このブログで知った本、興味津々で36歳のおっさんが読んでみた。感想は2点。ヤフー、マイクロソフト、グーグルなどアメリカ発で世界的な会社が生まれる理由がここにあるような気がした。日本の大学で果たしてここまでビジネス的な授業を行っているのだろうか。もちろん日本には日本のよさがあるはずなのだが。もうひとつ、タイトルのように20歳とかじゃなくて社会に出て10年以上経って頭の凝り固まった大人こそ読むといい本だと思う。
次の演習が印象に残った。自分の会社に関係したビジネス上の課題に対して最高の案と最悪の案を考えさせる。主催者はベストの案をシュレッダーにかけてワーストの案を皆に配り直す。そして「この最悪の案を練り直して最高の案にして下さい」と指示を出す。気分を害するメンバーも考えていくと実は最悪の案ではなくて素晴らしいアイデアがあることに気付く。なるほど、一般的に見向きもされない案に実は問題解決の本質があったりすることの教えだ。
自分を含め問題解決の考え方について訓練されてないように思う。お客さんの課題を解決することによって対価をもらい存在していることをもっと認識すべきだ。社内に問題解決方法がなければ他社に学ぶなり自分で勉強するなり(自戒をこめて)。
いろいろな実例が載っていて自己啓発本の中でも読みやすいほうだと思うので是非。
第二に、問題の大きさに関係なく、いまある資源を使って、それを解決する独創的な方法はつねに存在する。起業家精神とはまさにこのことだとスタンフォード大学の何人もの同僚が口を揃えます。
STVP(スタンフォード・テクノロジー・ベンチャーズ・プログラム)では、教育と研究、そして、世界中の学生や学部、起業家との交流に力を入れています。目指しているのは、「T字型の人材」の育成です。T字型の人材とは、少なくとも一つの専門分野で深い知識を持つと同時に、イノベーションと起業家精神に関する幅広い知識をもっていて、異分野の人たちとも積極的に連携して、アイデアを実現できる人たちです。
「実行バンド」は、何の変哲もないただのゴムバンドですが、前からやろうとしてできなかったことを実行に移すインセンティブになります。(中略)もうひとつ、はっきり言えることがあります。何もしないのと、何かをするという二つの選択肢を切り替えるのは、ほんの小さなスイッチですが、選択の結果は大きく違ってくる、という点です。
大きな問題を、これまでにない方法で解決して使命を果たすことを目標に掲げれば、最初から金儲けを目指すよりも、儲かる可能性はずっと高いのです。
グーグルの共同創業者のラリー・ペイジは、講演のなかで、「できないことなどない。と呑んでかかることで、決まりきった枠からはみ出よう」と聴衆を鼓舞しています。できるだけ大きく考えるのです。小さな目標を決めるよりも、大きな目標を掲げたほうが楽なことが多い、とペイジは指摘します。小さな目標の場合、達成する方法は限られています。それをはみ出るとうまくいきません。これに対して、大きな目標であれば、時間や労力をかけるし、達成する方法も多いからです。
「『決まりきった次のステップ』とは違う一歩を踏み出したとき、すばらしいことが起きるんですね」。踏みならされた道は、誰でも通ることができます。でも、予想もしなかった角を曲がり、何か違うことをしようとしたとき、そして、周りがお膳立てしてくれたルールに疑問を持とうとしたとき、面白いことが起こります。
成功を阻む最大の壁は、自己規制だということです。デビッドはこんあ風に言っています。「並はずれた業績を達成した人々の最大の味方は、ほかの人たちの怠慢である」
失敗は避けられないものですが、では、どのように失敗に備えればいいのでしょうか?創造的な仕事にたずさわる人たちは、想像のプロセスに失敗はつきものだと知っていて、備えができています。(中略)自分の経験から、失敗は避けられないものであること、成功のカギは、すべての弾をかわすことではなく、いかに素早く立ち直るかにあることを知っていたのです。
失敗を受け入れ、うまくいかないプロジェクトをあきらめることは、裏腹に、見切りをつけるのが早過ぎになるリスクがあります。古典的な例ですが、3Mのポストイットは、元々粘着力の足りない失敗作でした。それが巨額の利益を稼ぎ出す事業に大化けしたのです。
「自分は、自分の会社と一体ではないし、製品と一体でもない。往々にして同一視しがちだが、失敗したからといって自分が失敗したわけではない。あるいは成功したときですら、自分の成功ではない。会社や製品は失敗することがあっても、自分が失敗者なのではない」
生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。何をやるにしろ、その道で卓越していることを目指す。仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。
キャリア・プランニングは、外国旅行に似ています。どれほど綿密な計画を立てて、日程や泊まる場所を決めても、予定になかったことがいちばん面白いものです。素敵な人と知り合い、ガイドブックに載っていない場所を案内してもらえるかも知れない。
両者が得をするウィン・ウィンの状況を作り出せず、交渉を打ち切った方がいい場合もたしかにあります。異なるプレーヤーの利害をあきらかにしたとき、双方の最終目標に交差する部分がないなら、交渉を打ち切るのが最善の選択になります。
最高のチーム・プレーヤーは、他人を成功させるために労を惜しまないものです。じつは、組織内で地位が上がるほど、個人としての貢献は重要でなくなります。
じつは、アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として「三つのルール」を活用しています。長年、試行錯誤を繰り返した末に、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることを発見しました。その結果、軍事システム全体がこの点を反映するよう設計されているのです。