- 作者: ケビン・メイニー(著),ジム・コリンズ(序文),内田和成(解説),有賀裕子
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2010/07/06
- メディア: 単行本
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戦略とは捨てることなり。iphone、スターバックス、COACH、キンドル、フェデックス、新聞、格安航空会社、ATM…大成功してのち大失敗した商品、大成功しそうでしなかった商品、すべて「トレードオフ」で説明できる。
「上質」と「手軽」のどちらを追いますか?両方を追ってはいけません。という話。「お客さんを選ぶ」ということなんでしょうね。マクドナルドとモスバーガー。高級外車と軽自動車。「上質」と「手軽」の例はいろいろあります。お客さんを選ぶ。付き合う会社を選ぶ。あなたの会社は選べていますか?
上質=経験+オーラ+個性
「人々から愛されるか、必要とされるか。このどちらかの基準を満たさないかぎりビジネスは繁盛しない」
上質な商品やサービスを「上質でしかも手軽」へ進化させようとすると、行き着く先は不毛地帯である。
上質な商品がいくつもある場合、そのうちで最も手軽なものが顧客から選ばれる。逆に、手軽の軸上で複数の商品が競い合っているなら、その中で上質さで一歩抜け出したものが顧客の心をつかむ。ここにこそイノベーションや差別化の本質がある。商品やサービスにほとんど差がない時には、価格を安くした企業が勝つ。価格と入手しやすさが横並びなら、ほんの少し質を高めた者が勝者となる。
(IBMはサーバー市場で高級路線で苦戦していたが、Linuxを採用してからシェアを挽回した)
「さらなる上質さを追求して差別化路線を突き進むのか、持続的なイノベーションによってこれまでより低い価格で上質さを提供しようとするのか。あるいは、今の市場セグメントからよそへ移るか。突き詰めていくと、えてして『上下どちらへ進むか、それとも退出するか』という問いにたどり着くのです」IBMウラダウスキー・バーガー
競合企業はみな、上質さと手軽さのグラフ上で同じのうな位置に固まりがちである。そこから頭ひとつ抜け出すためには、一段上の上質さを目指すか、それともより手軽な方向へ一歩近づくか、心を決めなくてはいけない。
「上質と手軽」の選択を見誤らなきための5箇条
1.テクノロジーの進歩を見落としてはいけない。
2.商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減で決まる。
3.上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる。
4.商品やサービスを小さく生むと、小回りが効くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい。
5.新しいテクノロジーは必ずといってよいほど不毛地帯で産声をあげる。