Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[荻原浩] ちょいな人々


ちょいな人々 (文春文庫)

ちょいな人々 (文春文庫)

「カジュアル・フライデー」に翻弄される課長の悲喜劇を描く表題作、奇矯な発明で世の中を混乱させるおもちゃ会社の顛末「犬猫語完全翻訳機」と「正直メール」、阪神ファンが結婚の挨拶に行くと、彼女の父は巨人ファンだった…「くたばれ、タイガース」など、ブームに翻弄される人々を描くユーモア短篇集。


この短編集に登場する人物は、一生懸命だけど、どこか抜けていて、でも憎めないひとたち。決定的な悪人を描かない萩原さんらしいユーモア作品です。役所が設置したいじめ電話相談室の相談員をしている主婦が、子どもも守るために電話相談に留まらず実力行使で反撃に出る「いじめ電話相談室」、飼い主が犬や猫の本音を聞い「犬猫語完全翻訳機」、読売ファンの父親と阪神ファンの彼氏がお茶の間でバトル「くたばれ、タイガース」が面白かった。あと、本編後の解説が辛酸なめ子氏だったのが笑えた。実在していたとはw