- 作者: 落合博満
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/11/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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チームを53年ぶりに日本一に導き、2004年の就任以来8年リーグ優勝4回、2011年は史上初の2年連続リーグ優勝を果たす等脅威の数字を残した、中日ドラゴンズ監督・落合博満。常にトップを走り・育て続けた名将が初めて明かす、自立型人間の育て方、常勝チームの作り方、勝つということ、プロの仕事ついてetc.…。落合采配の全てがこの一冊に!
落合ドラゴンズの素朴な疑問。なぜWBCに選手を出さなかったのか?、完全試合達成直前の山井の交代、荒木・井端のコンバート、故障者情報のシャットアウトなどマスコミとの確執、など答えがほとんど書かれていた。なるほどと納得するのもあれば、ん〜納得できないのもあるけど、“名選手、名監督にあらず”という定説を唯一破ったといえる落合博満の“指導者感”に触れられて勉強になった。マスコミとの距離感や、「勝つ事が唯一最大のファンサービス」という考えは、讀賣や阪神などの人気球団で通用しないだろうから、中日でよかったと思う。プロでは三冠王3度という今後破られることはないだろう大記録を持つスター選手であったが、プロ入り前は高校でも先輩とそりがあわず野球部を退部、大学も中退して野球から離れていた時期があってドラフト指名も下位であったりと、下積みの苦労や芽が出ない選手の気持ちも分かるという。日陰、日向両方の選手の気持ちを理解できるのが、落合博満の強みであることがちょっと意外な感じだった。
- 一流の領域までは自分ひとりの力でいける。でも、超一流になろうとしたら、周りに協力者が必要になる。
- チームスポーツで「仕事をした」と言えるのは、チームが勝った時だけである。
- 負けない努力が勝ちにつながる。
- (2007年日本シリーズ第5戦で8回まで完全試合をしていた山井を交代させた采配に関して)結論からいえば、私は今でもこの自分の采配を「正しかったか」それとも「間違っていたか」という物差しで考えたことがない。ただあの場面で最善と思える決断をしたということだけである。
- 勝負に絶対はない。しかし、「勝負の方程式」を駆使して最善の策を講じていけば、仮に負けたとしても次に勝つ道筋が見える。そう考え、戦ってきたのだ。
- 仕事の場面においては、契約はすべてに優先する。
- ただひたすら、勝利を目指していくこと。そのプロセスが人生というものなのだろう。
- ミスは叱らない。たが手抜きは叱る。
- 1.できないことをできるように努力し、2.できるようになったら、その確率を高める工夫をし、3.高い確率でできることは、その質をさらに高めていく
- 欠点は、直すよりも武器にする。
- 組織を統括する立場になった者は、まず部下たちに「こうすればいいんだ」という方法論を示し、それで部下を動かしながら「やればできるんだ」という成果を見せてやることが大切だ。
- 好きにやることには責任が伴う。好き勝手とは違うのだ。
- 8年間、監督を務めてきて強く感じているのは、選手の動きを常に観察し、彼らがどんな思いを抱いてプレーしているのか、自分を成長させたいのかを感じ取ってやることの大切さだ。
- 変わるべき部分と変わってはいけない部分を見極めるためには、毎日よりも、何日かおきに見たほうがよい。
- プロ野球選手にとって、体は商売道具であり、それがどういう状態にあるのかは最重要情報である。(試合中のブルペンを映すのも禁止していた)
- 自分の腹の中を読まれてはいけない。それがプロフェッショナルの仕事なのである。
- 明日のために切り替えるよりも、今日という日に全力を尽くせ。
- 常に考えておくべきなのは、「負けるにしても、どこにチャンスを残して負けるか」ということなのだ。
- 自分がいいと思うものを模倣し、反復練習で自分の形にしていくのが技術というもの。大切なのは誰が最初に行ったかではなく、誰がその方法で成功を収めたかだ。
- 職場に居心地の良さを求めるな。
- サインというのは、選手の立ち居振る舞いだ。練習の時からつぶさに観察していれば、そのサインを見逃すことはない。
- 仕事で目立つ成果を上げようとすることと、人生を幸せに生きていこうとすることはまったく別物と考えているのである。