Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

最近読んだ本


探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)

札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して…ヤクザに脅されても見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め「俺」は街を走り回る。面白さがクセになる新感覚ハードボイルド登場。

チャライ探偵がススキノ界隈の雑多な事件を解決する短編ものと思って読んだら、実は短編でなく意外に重厚なストーリでした。東直己作品は初めてで検索するとちょっと面白い経歴の人だったのでまた読んでみたい。


使命と魂のリミット (角川文庫)

使命と魂のリミット (角川文庫)

「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。「隠された医療ミスなどない」と断言する心臓血管外科の権威・西園教授。しかし、研修医・氷室夕紀は、その言葉を鵜呑みにできなかった。西園が執刀した手術で帰らぬ人となった彼女の父は、意図的に死に至らしめられたのではという疑念を抱いていたからだ…。あの日、手術室で何があったのか?今日、何が起こるのか?大病院を前代未聞の危機が襲う。

主人公の父親のことば「人は生まれながらにして与えられた使命がある」。警察官として、医師として、親として、さまざまな立場で与えられた使命がある。夕紀が西園を疑っていて真実に迫ろうとする大きな流れのなかで「医療ミスを公表しろ」と病院に脅迫状が送られてくるという2本のストーリーが交差しながら物語は進んでいく。人生の中で自分に与えられた「使命」を感じる瞬間があって、かつ自分に与えられた「使命とは?」の問いに一発回答できる人生はたぶん素晴らしいだろうなと思う。