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本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[伊坂幸太郎]ガソリン生活

ガソリン生活

ガソリン生活

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。だが翌日、翠は事故死する。本当に事故だったのか?良夫とその弟で大人びた小学5年生の亨は、翠を追いかけ回していた芸能記者・玉田と知り合い、事件に首を突っ込み始める。姉、母まで望月一家が巻き込まれて、謎は広がるばかり――。
朝日新聞夕刊の人気連載が待望の単行本化。物語の語り手はなんと本邦初! ?の「車」。町を走る様々な車たちの楽しいおしゃべりが全編にさんざめく、前代未聞のユーモアミステリーにして、のんきな長男・大人びた弟…と個性的なキャラが揃った家族の暖かいエピソードに溢れた、チャーミングで愛すべき長編家族小説!


語り手が車というファンタジー小説。車と人間は会話できないが車内と排ガスが届く範囲で車が人間の会話を聞くことができる。人間社会を観察する車同士の会話もユーモアがあり、ひとつのコミュニティーが存在しているようで面白い。伊坂さんの新境地にも伏線と回収の旨さは健在。『オー!ファーザー』の6人家族や溝口などがさりげなく登場するのも、もはやお約束の領域ですね。「開いたボンネットが塞がらない」ウケたw