Yasublog

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看板に偽りあり!?


5/10日経新聞に面白い記事があったのでご紹介。『偽りは進化の証し』ってなんか格好いいですね!

 東大阪市は6千の町工場がひしめくものづくりの街である。機械の音が通泰低音のように街全体を包み、狭い路地に金属と油の匂いが漂う。ほとんどが、10人以下の零細企業だそうだ。その看板を眺めながら歩くとおかしなことに気づく。この街は看板に偽りが多い。
会社の名前に「○○ミシン工業」「××バネ製作所」などと記しているのに、実際は全く違うものをつくっている。フセラシ社はその典型だろう。「螺子(ラシ)」とはネジのこと。小さなネジ工場から出発し、今では世界に7つも大工場がある。この会社の精巧な金属部品がなければ、ハイブリッド車もスマホも商品にならない。

 トヨタ自動車の利益が1兆円を超えた。記者会見で「スタートラインに立っただけ」と語る豊田章男社長の目の光が強かった。やはり製造業が元気になると、明るい気分になってくる。その大企業の陰には、無数の縁の下の力持ちいる。つきつめて考えると、日本の競争力の源泉は、無名の中小企業の群れかもしれない。

 なぜ社名と仕事が異なるのか。東大阪の職人がよく口にする言葉は「どないかします」である。こんな部品をつくれるかと聞かれれば、決して無理だとは言わない。次々と大企業の要望に応えるうち、いつのまにか「本業」からずれていった。偽りの看板は進化の証しでもある。さて大企業は進化しているだろうか。