Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[真山仁] ハゲタカ(上・下)


野球もなく引きこもり。引っ越してから段ボールのままの部屋を片付けようと思ってはみたものの・・・


ハゲタカ(上) (講談社文庫)

ハゲタカ(上) (講談社文庫)

ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新な再生プランを披露し、業績を上げていく。企業買収、再生の真実を克明に描いた問題作。


ハゲタカ(下) (講談社文庫)

ハゲタカ(下) (講談社文庫)

企業再生が軌道に乗りはじめた頃、鷲津政彦は元銀行員・芝野健夫、老舗ホテルオーナーの娘・松平貴子と偶然出会う。二人と接触を重ねるたびに、鷲津の過去が明らかになっていく。そこに潜むある事件とは?そしてニューヨークから日本に戻った鷲津の真意が判明した瞬間、驚愕のクライマックスが訪れる。


バブル崩壊後、グローバル化する世界において変われない日本の企業や金融業界、外資系ファンドによる企業買収、再生物語を実話を元に描いた企業小説。
随所に武士道精神を引用し、馴れ合いから脱皮できず乱脈経営で会社を私物化するオーナー企業、戦後奇跡的な復興を果たし世界一の経済大国になった日本、護送船団で未だ鎖国状態だった金融業界にグローバルスタンダードと称し金融戦争で日本を打ち負かそうと仕掛けるアメリカ。バブル崩壊の1990年台はいろいろな意味で時代の変わり目だったことを認識させられる内容でした。


上巻の後半、水戸黄門の言葉として書かれている言葉が印象的でした。

戦いに臨んで討ち死にすることは、難しいことではない。それはどのような野人でもできることである。しかし、生きるべき時に生き、死ぬべき時に死ぬことこそ、真の勇気なのである。