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[伊坂幸太郎] 陽気なギャングの日常と襲撃


陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。


著者初の続きものだそう。映像化を意識したような内容にはなっていた。いいキャラ設定なのでいろんな展開ができそうだ。

「愚かな犯罪者というのは、自分の罪を隠そうとして、無理なことをやるもんなんだ。堂々と構えていればいいものを。あれを知っているか?『ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない』という諺だ」

「無傷で、何かを得ることはできないってこと。オムレツを作りたければ、卵の殻を割るしかない。意訳すれば、恐れずになんでもやってみよう、ってことじゃないの?」

「木は森に隠せ、って言うだろ。失敗は大失敗に隠すんだ」響野は怯まない。

「こういう言葉を知っているか。『なにはともあれ結婚しなさい。良い妻を得た者は、幸福になれるし、悪妻を得れば、哲学者になれる』」

持っていくものは何かあるか、と訊ねると彼は嬉しそうに、「財布と度胸と、ツキだ」と言った。

「稀に見る善良な紳士に助けられた、とお父さんには報告すべきかもしれないな」とも言っておく。「はあ」「これは何らかの形で、恩返しをしなければならない、とお父さんが慌てるくらいまで熱心に、報告したほういい」