16日に東京港臨海大橋の中央径間(若洲側)トラス桁の架設工事が行われました。運良く東京港湾事務所所有の船の上から見学する機会を得たので、早起きして行ってきました。
今日はその様子を報告したいと思います。(これまでの記事はこちらからどうぞ)
(1)大阪府堺市の工場で組み立てられた重量2533トンのトラス桁が日本最大の大型起重機船(海翔)で浜出しをし、台船に積み替えて遠路東京湾まで海上輸送されました。このトラス桁のサイズは長さ113m、幅24m、高さ26m。重量の例えで何度も言われていますが東京タワーが4000トンですのでその大きさが分かるかと思います。
(2)そのトラス桁を当日早朝(6時頃)からこちらも日本最大級の起重機船(武蔵)で吊り上げて所定の位置まで前進します。
(3)微調整を繰り返しながら高さを合わせて架設済のトラスとの距離が5mの位置まで接近してさらに微調整を繰り返しこのまま架設して問題がないか最終チェックを行います。
(4)その後20cmの隙間まで近づきワイヤーロープで引き込みを行いながらあと2時間かけて結合していきます。
(5)まずは1000本のボルトで鋼床版上のセッティングビームを固定して、緑色の架設材に仕組まれた油圧ジャッキを調整しながら断面を合わせていきます。
(6)結合するためのボルト総数は12600本、45名の職人さんが夜通しで朝6時までみっちり締め付け作業を行っていきます。
(7)ボルト締め付けが完了したら荷重開放し、起重機船が現場を離れます。
当日船上から見学できたのは(3)と(4)の工程です。10時半ごろに現場海域に到着して国交省の係員さんの説明を伺いながらいろいろな角度から見上げていました。
長さ100m超、重量数千トンもの構造物を超大型起重機船で吊り上げる様はなんとも壮大ですが、一方で25mm径の高力ボルトで接合するミリ単位の精度を職人さんとの共演で成し遂げるのですから。ちょっと想像を絶しますね。
こいうい職人さんの作業を見ていると全然飽きません。遠くから見ているとほとんど動かないから退屈だったと思いますが、近くでそれも双眼鏡を覗いていると職人さんのいろんな動きが手に取るように見えて楽しいんですね。寿司屋のカウンターで職人さんがお寿司を握っているのを見てるだけでも楽しいのと似ているかも知れません。似てないか(笑)。大阪梅田の陸橋でやってる大道芸よりも面白いですよ。たぶん。
あとになって思ったのですが、夜通し吊った状態を保ちながらボルト締め付け作業を行うのですが、潮の満ち引きがあるから起重機船は相対的に上下するのでは?もしかしてワイヤーで微調整しているのでしょうかね。
アプローチ桁の下に建設中の東京スカイツリーが見えます。
職人さんとトラス桁を比べるとその大きさがわかりますね。
徐々に接近するトラス桁を待ち構える職人さんたち。
何がすごいって海上100m近い位置で手摺りに掴まるわけでもなくすいすい動き回る職人さんたち。地球防衛軍が結成されたら彼らがきっと活躍するに違いない。そう思いました。
作業はまだまだ続きますが海上見学はここまで。残念ながら撤収です。引き揚げながら遠目にトラス桁を見ると、座った犬が恐竜に化けた姿があるではありませんか。
富津港の浜出しも間近に作業を見ることができて興奮しましたが、今回も海上作業という緊張感の中で見学することができてとても楽しかったです。今月の30日に中防側のトラス桁を同様に架設するようです。近くの方は是非見に行かれてはいかがですか?
いろいろ丁寧に説明いただいた係員のみなさま、どうもありがとうございました!