- 作者: 小杉健治
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/11/11
- メディア: 文庫
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引きこもり生活を送る悟史は、ある晩、アルツハイマー病を患う源一郎と出会う。結婚の約束を果たせなかった女性に謝りたい。そんな源一郎の「最後の望み」を叶えるため、悟史は手がかりを探る。女性の消息を辿ると、ある殺人事件とのつながりが浮かび上がる。悟史は、源一郎が抱える慚愧の念を晴らすことができるのか!?そして殺人事件に隠された意外な真実とは―。
著者の作品は3冊目ですが、これも良かったです。無職で引きこもりの悟史があるきっかけで、認知症の老人のかつての恋人の消息をたどることになり、生きる自信を取り戻していく。素人が探偵や刑事まがいの行動とは出来過ぎの意見もあるかもですが、個人的にはリアリティーよりも物語性のほうが重要だと思うので気にならなかったです。著者ならではの「自己犠牲」「他者への愛」が見事に盛り込まれていて感動的なラストでした。