Yasublog

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それでもなお


最近読んだビジネス本、「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)が良かったです。よい営業マンの定義はひとそれぞれなんだと思いますが、ノウハウ本から始まって、だいたい最終的にたどり着くところは、「営業とはお客さんを幸せにする仕事である」、「営業とは人間力である」などのテクニックとは違う次元の言葉に収斂されていくような気がします。こんな境地からはほど遠いYasuですが、この本の後半に出てきた一節が特に印象に残ったので紹介したいと思います。

 人によっては取引先で苦手な担当者がいるでしょう。人間ですから好き嫌いがあり、どんな人にもウマの合わない人がいます。ですがもしそれを克服し、一人でも多くの人を好きになったとき、あなたの前には違った世界が現れます。『それでもなお、人を愛しなさいー人生の意味を見つけるための逆説の10ヶ条』というケント・M・キースが書いた本があります。以前読んだことがあるこの本を私は最近読み返し改めて心を打たれました。まずは、読んでみてください。

  1. 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
  2. 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
  3. 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。それでもなお、成功しなさい。
  4. 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。
  5. 正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。
  6. 最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落とされるかもしれない。それでもなお、大きな考えをもちなさい。
  7. 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。それでもなお、弱者のために戦いなさい。
  8. 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築きあげなさい。
  9. 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。
  10. 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

 たしかに、現実社会において、「人は不合理で、分からず屋で、わがままな存在」です。「何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められる」「弱者をひいきにするが、強者の後にしかついていかない」。これも、現実です。

 しかし、ケント・M・キースという人は、「それでもなお」と、さらにもう一歩、踏み出していくのです。私は、これこそ「自分を磨く」ための言葉だと思います。

 何も難しく考えることはありません。

 朝、出社してあなたが元気に「おはようございます!」と挨拶をしても、ブスッとして挨拶を返さない人がいるでしょう?おもしろくないですね。それでもなお、次の朝になれば、元気に挨拶をするのです。あるいは、懸命に取り組んだ仕事が失敗したとします。取引先の人は、あなたの努力をわかろうともせず叱責するかもしれません。傷つきますね。それでもなお、次の仕事に懸命に取り組むのです。

 このように、日常の仕事の中で「それでもなお」を積み重ねることで、私たちは人間として成長していくことができます。


明日枯れる花にも水をやる心に通じる話だと思いました。『それでもなお』を積み重ねた先に、殻を破ることができた自分がいるのでしょうね。


それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条

それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条

「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)

「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)