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Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

進水式は人生の船出に似ている


3月の某日、某造船所の進水式に参加してきました。今日はそのレポートをお伝えします。

その日は朝から快晴。生まれて初めての進水式見学に興奮を抑えられませんでした(笑)。「進水式」、橋梁工事でいうと大ブロック一括架設の「浜出し」に近いでしょうかね。今回見るのは8万トン級のバラ積み貨物船、全長230m、幅32m、高さ20m、その鋼材使用量は1万トンにもおよびます。東京ゲートブリッジ下路トラスは全長200m、幅23m、高さ40mだったのでさらに一回り大きいです。この船、満載になったら黒と赤色の境目まで海面がくるそうです。なんかすごい。

作業着姿の人たち

構内には凛々しい作業着姿の人もたくさんいました。格好いいね。そういえば震災直後にM重工の技術者が被災地に支援に入ったとき、取引先の人が「あなた達の制服を見て心から安心した」というコメントがあったのだけれど、作業着にはある種のそういった力があるのだと僕も思います。




進水式

太鼓演奏などのセレモニーが終わり、いよいよ船が進水台を滑り下りるシーンです(逆光でいい写真でなくてすんません)。船がすべるときに出る音もかなりの迫力でした。




真ん中くらいでくす玉がパーーンと割れて海面に一直線で船は進みます!華やか!


進水式を我が社でも

この間、時間にして約30秒。あいうえっと言う間でした。造船所のみんなが手塩にかけて造った船の船出を地域のみなさん総出で見送り、関係者の労をねぎらい、大海原に繰り出す船の前途に幸あれと祝福する、進水式のようなイベントを、僕の会社でもするべきだと思いました。

設計計算書と図面ファイルがメールに添付されて設計メンバーの代表者が紅白のリボンが結ばれたマウスで「送信ボタン」を押した瞬間に、くす玉が割られ設計メンバー全員が片手に持った升酒で乾杯をし、困難を乗り越え厳しい納期を達成した喜びを語り合うのです。名付けて「メール送信式」。(違うか。。。)

あるいは、新開発されてこの世に誕生したソフトウェア。テストPCにインストールして初めての起動。くす玉ぱーん。初期画面から複数の画面に遷移して、紅白のリボンが結ばれたマウスで実行ボタンを押す。「あの画面私が作ったの〜」、「あのエラーメッセージは僕の作品なんだ。いい文章でしょ」、開発担当者みんなでシャンパンで乾杯をする。

モチベーションがあがりますよね。やりましょうよ。(くす玉店主によるステマではありません、念のため)



進水台の上をすべり下りた船は海の上に浮かんでいました。進水台の構造をもう少しじっくり見たらよかったと少し後悔しています。進水式を終えたこの船は3月下旬の試運転(様子はココに詳しく載っています)、4月上旬の引き渡しに向けて、最後の工程(艤装工事)に移ります。

紅白のお餅争奪戦


式典の舞台のうえから紅白のお餅をまく儀式があるのですね。縁起物なのでみな一生懸命手を伸ばしてました。Yasuはみごとに1個ゲットしましたよ。なんたって現役の外野手ですから。(でも待ち構えているのが半分社員さんってのが面白いw、そう言えばうちの会社は自社発行メルマガの懸賞に社員が応募するの禁止なんですよ)



この進水式のあと、とある研究会の一員という立場で船を造っている工場も見学させてもらいました。そのスケールの大きさは橋梁のそれとは比べものにならないですが、鉄板を切って、曲げて、溶接して、組み立てるという工程はよく似ています。数値解析や流体解析などの最先端設計技術を駆使して燃費のよい船体の構造設計を行ういっぽうで、製作現場は意外に人間を中心としたアナログ技術の集まりであるところも橋梁とよく似ている気がしました。

船出に幸あれ

この春、いろんな人々が踏み出す、新たな一歩、再開の一歩、決意の船出に、幸あれ。