Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

[東野圭吾] 新参者

新参者 (講談社文庫)

新参者 (講談社文庫)

日本橋の片隅で一人の女性が絞殺された。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。手掛かりをくれるのは江戸情緒残る街に暮らす普通の人びと。「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも私の仕事です」。大切な人を守るために生まれた謎が、犯人へと繋がっていく。


小伝馬町で起きた殺人事件の捜査で加賀が人形町界隈の商店を聞き込みする。事件とは直接関係のない下町の人間模様を織り交ぜながら事件の核心に迫っていく。1商店(家族)それぞれが短編として、全体として長編サスペンスの構成で、これまでにない面白さがある。

「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」P253