Yasublog

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星野監督、敗戦を語る

 終わったね。今までの人生でいろんなことがあった。悔しかったり、喜んだり、怒ったり…。でも泣くに泣けないという心境が初めてわかった。61歳にして、こんな経験をするとはね。

 申し訳ない。お金を払って球場に足を運んでくれたファン、日本でテレビを見てくれていたファン。何より子どもたちを失望させてしまった原因は、すべてオレにある。全面協力してくれた球界の関係者にも頭を下げんと。熱い思いをぶつけようと思っても、できなかった。世界で日本の野球に恥をかかせてしまった。それがオレの最大の罪やと思っている。

 なぜG・G・佐藤(西武)を選んだ? みんなはそう思うやろ。オレはずっと若い選手の奮起を促してきた。そのなかで、アイツはペナントレースで数字を出して応えてくれた。みんなには理解できないだろうが、ものすごくうれしかった。

 村田(横浜)もしかり。チームは最下位。モチベーションを維持できないなかで30本塁打。こんなヤツを連れていかなくて、誰を呼ぶんやと思った。でも結果的には…。

 サブロー(ロッテ)や井端(中日)を選んでおけば、こんなことにはならなかったかもしれん。最後まで悩んだ。どうしても、できんかった。あれだけ「盲目的になるな」と自分自身に言い聞かせたのにね。オレという人間の弱さがモロに出た大会やった。

 仲良し内閣。負けたら、こう批判されるのは覚悟していた。勝って「仲良しで何が悪い!!」と反論したかったけど、何も言い返せない。それが勝負の世界やから…。

 今思うと、浮かれとったんかな。金メダルを取って、選手に腕時計を贈りたいと思っていた。国産品や。「メード・イン・ジャパン」って刻印されているヤツをね。われわれもファンも、野球そのものも「メード・イン・ジャパン」でしょ。これからもずっと。だから、象徴として頑張った選手に時計をプレゼントしたかったんやけど。

喜ぶ顔を励みにして、ここまでやってきた。ビックリさせたろうと思っていた。甘かったんやろうね。それどころか、何も首に巻けない最悪の結果になった。

 “敗者”のオレが今さら言うても、何の説得力もないことはわかっとる。でもG.Gだって、村田だって、こんなモンやない。これから新たなステージで日本の野球のすばらしさを見せてくれると信じている。「お前が言うな」。そういう批判を承知しながら、声を大にして言いたい。

 北京で5敗もしたという現実は、時間をおけば、明確に振り返ることはできるんやろうね。今はゆっくりしたい、ひとりになりたい−。そういうところかな。(sanspo)
http://www.sanspo.com/beijing2008/news/080824/oaa0808240439002-n1.htm