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ビッグデータ


構造化されていない莫大な量のデータを「ビッグデータ」というそうです。クラウドや大規模並列コンピュータがビッグデータを解析することで、「未来を予測」したり、「異変を察知」したりできるようになります。

社会インフラでは、橋梁のヘルスモニタリングがあります。振動データと点検データを関連づけることで異常の早期発見を目指すものです。

この技術を応用して、人間の行動を記録・解析・分析することで、ヒューマンエラーを先回りして注意喚起できるようにならないでしょうか。「この兆候、パターンはなんかヤバイぞ」と、職人さんや専門家がもつ勘所をコンピュータが定量的に評価できればすばらしいです。設計ミスがなくなる世界はやってくるでしょうか。

暗黙知形式知に変換するビッグデータ活用の未来

 センサーデータから得られるビッグデータの活用例としては、橋梁モニタリングシステム「BRIMOS」がある。橋梁に設置されたセンサーから得られる情報をリアルタイムで集積、処理して管理センターに送信するというシステムだ。

 橋梁の溶接部分にかかる圧力や橋梁各部の振動データなどがリアルタイムでセンターに送られ、異常の察知をこれまで以上に早める「BRIMOS」は、2012年2月12日に開通予定の東京ゲートブリッジにも導入されている。

 「『BRIMOS』で集積され処理されるデータは、長年蓄積されればされるほど、高度な知見を生み出すものとなる。ベテランの監視員、管理者が暗黙知として持っている橋梁に関する知見と合わせれば、経験の浅い人にも活用できる形式知となる」(岩本氏)

 長い経験を持っている監視員、管理者は天候や音、体で感じる振動などによって橋梁の状態をある程度把握できる。ビッグデータから作成された振動、圧力などのデータの時系列での変化をベテランの知識と照らし合わせれば、データから何を読み取ればいいのかが分かるようになるわけだ。ビッグデータを暗黙知から形式知に変換することに利用するということは、誰でも利用できる新しい知識やノウハウを生み出すことにつながる。

 「『BRIMOS』は中国やベトナムなどの各地で導入が検討され、実証実験が実施されている。日本では首都高速道路中央環状線などでも設置されており、センサーデータから得られるビッグデータの利用はこれからもさまざまなケースに発展していくはずである」(岩本氏)
NTT DATA Innovation Conference 2012レポート:ビッグデータ活用とコミュニケーション進化が軸となる「未来社会」の展望 (1/2)