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[パオロ・マッツァリーノ] つっこみ力

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)

ボケとツッコミ。
笑い飯のようなダブルボケが現れたりしてますが、時代を問わず漫才でのスタンダードなコンビです。世の中の出来事や身近なことに対する「つっこみ」について掘り下げた本です。


人は正しさだけでは興味をもってくれません。人はその正しさをおもしろいと感じたときにのみ、反応してくれるのです。本当に重要なのは正しさではありません。付加価値であるおもしろさのほうなんです。

あなたが何か間違いに気付いたとします。しかしすぐ訂正するのは、ヤボの骨頂です。こんなとき、お笑い芸人だったらどうするか、考えてみて下さい。ひとつ。場を盛り上げられるかどうか。ふたつ。それが自分にとっておいしいかどうか。芸人が行動を起こすかどうかの判断規準は、この2点にかかっています。

つっこみ力は、場を盛り上げようというサービス精神と、自己犠牲の精神が息づいている点で、批判や批評、メディアリテラシーとは一線を画します。批判力が不愉快がられるのは、相手を責めるだけで、自分はつねに無傷でいようとするからです。これは批評も同じで、批評家ってのは自分は傷つかない場所にいて、他人の差品にケチをつけているから、イヤミなんです。

つっこみは全面攻撃ではなく、笑いによって相手の逃げ道を確保してやってるところも、高度で、かつ、人間味のある手段といえましょう。批判力や論理力をまともに使って攻撃してしまうと、たとえ自分が勝ったとしても、相手の逃げ道まで破壊してしまいかねず、どうしてもカドがたちます。

つっこみの三本柱、「愛と勇気とお笑い」の相互作用が需要です。


人間関係の潤滑油になったり、人を救ったり、やさしさでもある「愛のあるつっこみ」をどんどん入れていきましょう。(^―^)