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[有川浩] 阪急電車


阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。


阪急電車今津線の各駅で起こるドラマ。今津線といえば甲子園球場での野球観戦帰りに今津〜西宮北口間に乗ります。2両だけの単線だったと思います。この小説では西宮北口から宝塚駅までの各駅を取り上げています。通勤時間帯の電車内は睡眠不足を補うためか熟睡している人、日経新聞を読んでいる人、ケータイを見ている人、通学中の学生など人々の目的地たる所へたどり着くための移動時間いわゆる副次的時間を過ごす場所です。映画館、野球場、コンサート会場、百貨店など多少の差はあれど目的は同じ人が集まる空間とは違い、いろいろな人生を抱えた人々が駅や電車内で起こすドラマを切り取った読後はほっこりできる小説でした。