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[鈴木康之] 名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

「メガネは、涙をながせません」(金鳳堂)、「たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。」(日本たばこ産業)、「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」(日本ペットフード)―。広告コピーは、商品・サービス・企業をわかりやすく気持ちよく表現する、現代の高感度文章。ロングセラー『名作コピー読本』の著者が、読み手を惹きつけ、思いが伝わる文章の書き方を指南する。


とあるエピソード。ニューヨークの街角で黒めがねの物乞いがいて「私は目が見えません」と書いた札を首から下げていたが足もとにある施し用のお椀はいつも空っぽでした。ある日通りがかった詩人が、下げ札の言葉を変えてみてはどうかといって新しい言葉を書きました。それ以来お椀にコインの雨が降り注いだといいます。その詩人が書いたのはこんな言葉でした。「春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません」


冒頭のこの話からぐいっと引き込まれました。いろんな企業のコピーを実例に解説があって非常に実践的な書籍だと思います。営業という仕事はある部分は“言葉”を道具にしている職種だと思います。いい仕事をするためにはいい“道具(=言葉)”が必要です。楽天やユニクロのロゴ作者として有名な佐藤可士和氏は「広告(デザイン)は基本的に見てもらえないもの」というスタンスで仕事をしているそうです。

新商品の概要や特長をリーフレットにするときに気の利いた文章を考えるのですが、これがなかなか難しいんですね。細部まで盛り込もうすると長文になってしまうのですが、長文だとなかなか読んでもらえないでしょうし。特長の文句は短ければ短いほどよいと言えます。

「あなたの会社はどんな仕事をしている会社ですか?」と聞かれてどう答えますか?下表のようにゼネコンや重工各社はコピーできちんと答えていますね。

会社 コピー
清水建設  子どもたちに誇れるしごとを
鹿島建設  100年をつくる会
大林組  地球に笑顔を
竹中工務店  想いをかたちに
三菱重工業  この星に、たしかな未来を


身近な例でもコピーを考えると面白いですね。