Yasublog

本、土木・橋梁、野球、お笑い、などについて書いてます。

最近読んだ本

ホテルローヤル (集英社文庫)

ホテルローヤル (集英社文庫)

北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。

起終点駅に続けて直木賞受賞作を手に取ってみた。同じく釧路を舞台に悲哀に満ちた人間模様を描いている。現在から過去に向かって短編が構成されているのは旨い手法だと思った。ラブホの一生をフラッシュバックして見たように。霧がかかった情景、登場人物の感情の振れ幅が狭い、北国の寒さ、不幸な人間がそれでも一緒懸命生きる姿がそこにあって。断片な感想が思いつくが言葉にうまくまとめられない。もう一度読むと理解が深まると思った。


下町ロケット2 ガウディ計画

下町ロケット2 ガウディ計画

ロケットから人体へ―佃製作所の新たな挑戦!前作から5年。ふたたび日本に夢と希望と勇気をもたらすエンターテインメント長編!!

いやぁ池井戸さんまたまたやってくれましたね。続編も泣かせてくれます。至るところで大企業の横暴と中小零細企業の悲哀が描かれているけれど「命の尊さを会社の大小で測れますか?」と審査員と対峙する社員が育っていたり、辞めてライバル社に図面を持ち出した者への大人な対応や帝国重工にバーターで出資話を並行で進めるなど会社も佃社長もパワーアップしている感じがしました。なんとかドラマに越されずにすんだけど貴船と椎名の奈落へ真っ逆さまのシーンの演技がどんな感じになるのか楽しみにw