今年もいろんな本に出会えました。本に「出会う」という表現も変ですが、個人的にブログをチェックしている人の感想などを読んで買う本を決めることが増えているので、今後は公告よりもソーシャルメディア経由でものが売れていくというのも分かる気がしますね。
3.11の後、本を読むことすらままならない人々がいるなかで、好きな本が自由に読むめることをありがたく感じながら、来年もいい本に出会えるといいなと思います。
[ビジネス・ノンフィクション] 20冊 一覧はこちら
- [ドナルド・C・ゴース] ライト、ついてますか―問題発見の人間学
- [デイル・ドーテン] 仕事は楽しいかね?
- [齋藤孝] 誰も教えてくれない人を動かす文章術
- [濱口哲也] 失敗学と創造学―守りから攻めの品質保証へ
- [羽生善治] 羽生善治の思考
- [佐々木常夫] 「本物の営業マン」の話をしよう
[小説・フィクション] 22冊 一覧はこちら
あえて1冊を選ぶとすると「失敗学と創造学」でしょうか。
東日本大震災の後「想定外」や「人災」という言葉がよく聞かれました。著者の濱口氏は企業が新製品を開発する過程で、品質を保証する試験のひとつ「破壊試験法」を実施することを推奨されています。ユーザーによる誤使用や製品の設計ミスなど、事故の原因はまちまちです。企業はあらゆる事態を想定して試験を行いますが、「想定外」の事態にも最小限の被害(ユーザーの怪我や第三者への事故)で済むように破壊試験をするわけです。「想定するから想定外ができてしまうので、想定することをやめて破壊してしまえ」という一見乱暴な理論のように思いますが本質を付いているように思います。
原発事故を考えると、原子炉に対して破壊試験なんてできるわけがありませんよね。壊れないことを前提にするしかないですから。「破壊試験ができない製品は世の中に出してはいけない」のではないでしょうか。いろいろ考えさせられます。
この濱口氏の講演が第43回VE関西大会のプログラムに組まれています。興味のあるかたは有料ですが参加されることをお勧めします。僕も参加する予定です。
伊坂幸太郎の「モダンタイムス」も1年くらい積ん読状態やったのですが、やっと読み切ることができました。これで伊坂作品の未読は「あるキング」と「SOSの猿」の2作になりました。来年は新作にも期待したいです。小説分野でベスト1冊は「恋文の技術」を選びます。森見作品は好き嫌いがあるようですが、「夜は短し歩けよ乙女」を合わせて独特の世界観が好きです。
ちなみに今読んでる本は、[落合博満]采配、[渡辺一史]北の無人駅からです。その他10冊近く積ん読になっているので、少しずつペースを上げて消化していきたいです(笑)。
新年は少しでもよい一年になりますように。みなさま良いお年をお迎えください。