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[清水佑三] 上司のモヤモヤ


上司のモヤモヤ

上司のモヤモヤ

部課長の相談に乗って20年!会社組織の名カウンセラーによる「サラリーマンの最も普遍的な悩み」相談集

  • 人は見た目が9割だそうですが、それで採用していいですか?
  • 上司から緊急時には遠慮なく自宅に連絡しなさいと言われました。真に受けていいでしょうか?
  • 部課長が知っておくとお得な「ことわざ」を教えて下さい。
  • 「もっとバカになれ」と言われました。どう解釈すればいいでしょう?
  • 自分に甘い人をどう扱えばよいのでしょうか。
  • 今まで「部長」と呼ばれていたのに、職制がかわって「さんづけ」になりました。降格ではありませんが寂しいです。
  • イエスマンをまわりに置きたい。そうしないと神経がもちません。いけませんか?
  • サラリーマンに「自己実現」は、あり得ますか?


生協の白石さんのサラリーマン版って感じです。人に相談されやすい人っていますよね。聞き上手といわれる人です。まじめな質問や相談があったり、本人は至って真剣なんですが、どうでもいいような相談もあるでしょう。人生いろいろ、人の悩みもそれぞれですから。そんなときにどう返せるか、「回答力」が問われます。相談する側の人も大概の場合、答えがすでに出ていて、それを強固なものにしたいので確認作業に入っているんです。そう真面目な回答なんて誰も期待していないんです(と思います)。想定の範囲内の回答なんて、誰でも似たり寄ったりですし。悶々とした思いをぶち破る発想や、一点集中していた思考を揺さぶってくれて元気のでるような、前向きになれるような回答をしたいです。でも笑いに走り冗談がきついと「まじめに聞いているのに、冗談は良し子さん!」って怒られます。(笑)

一部を抜粋します。

Q.私じつは貸借対照表が読めないのです。通信教育で読めるようになりますか?


A.そんなもの読めなくても部課長の看板は張れます。貸借対照表よりもっと大事なものが読めればいいのです。それは、人のココロであります。仮にある人が(消極的、否定的、被害的などの)ネガティブな感情をもっていることに気づいたとしましょう。(その反対の)明るく元気なポジティブは感情に変えてゆくことが部課長のお仕事です。突き詰めると、エライ人の仕事は、袖擦り合うすべての人に対する意欲形成業です。ココロが読めればできます。

この場合、相談とは違う方向の答えを言ってます。

Q.職場の空気をもっと明るくしたいのです。電球を替えるとかではない、まじめな回答をお願いします。


A.暗くなるのには理由があります。「成長」「利益」といったものでカイシャが金縛りにあっているからです。「成長」「利益」は、市場、商品、売り方のどれかがバカあたりして初めて手にできるもので、毎年毎年は無理です。ところがトップはそうは思わない。みなさんのやり方が悪い。もっと努力せよ、といい続けます。だんだん暗くなっていきますよね。
さて、空気を明るくするアイデアです。部署別対抗演芸大会を開くのです。笑いをとった部署が年度目標のバーを大幅に緩めてもらえることにしたらどうでしょう。高い目標を課せられている部署は頑張りますよね。笑う門には福来(きた)る、でカイシャの運も向上きます。

質問の段階で冗談で返せないように予防線を張られています。この時、本質的な話で質問者に共感をするものの、最後は予防線を越えて落としていますね。

Q.お歳暮をくれた奴の人事考課を甘くしてしまう。いけないですか?


A.昔の部課長はお中元にお歳暮、年賀の挨拶、結婚式での仲人、引越しともなると部下が総出で手伝ってくれる、それはそれはおいしいポストだったのです。そういう習俗がいつのまにかなくなってしまいました。部課長職がほろ苦いものになりましたね。そういう時代にあって、ひっそりとお歳暮を贈ってくれる部下、いいじゃないですか。美談です。いろいろ理屈をつけて効果を甘くつけてあげてください。人としての最低限のマナーです。

「いけないです」と返されて、「やっぱ、そうですよね」と納得したいだけの質問です。でもこの例では、真逆の回答をして、「昔は良かった」的哀愁を漂わし、悪魔のささやきに従うのもありでしょ、と返していますね。面白いです。