圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋が補い合って鉄筋コンクリートが力を発揮するのです。ボケとツッコミみたいな関係です。酒田みらい橋はコンクリートの相方、鉄筋が使われていない橋なのです。この橋に使われている素材「ダクタル」とは特殊な繊維で補強された鉄筋不要のコンクリートです。鉄筋は商売あがったりです。鉄筋目線では普及されては困る技術です（笑）。通常のコンクリートの10倍以上の強度がある次世代の素材で、鉄筋が不要なぶん腐食しにくくて耐久性に富み、スマートな構造が可能です。酒田みらい橋も50mのスパンにも関わらず桁高1.5m、ウェブ厚8cm、床版厚5cmと究極のスリム化が実現しています。ウェブに開いた孔も印象的です。
構造詳細はこちらで見れます。酒田みらい橋プロジェクト（PDFファイル）
酒田みらい橋（山形県酒田市）：単純PC箱桁橋（歩道橋）：橋長50.2m、外ケーブル方式。ダクタルを使用した日本で初めての橋梁です。平成14年度田中賞受賞。
